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 ミケーネとティリンスの古代遺跡群 Archaeological Sites of Mycenae and Tiryns

「ミケーネ」。その響きは考古学好きには興奮を抑えることができない名前です。ギリシャ神話によると、ミケーネはゼウスとダナエのムスコペルセウスが造り、その子孫がこの地を治めた後、アトレウス家がここを治めたとされています。かつてギリシアの吟遊詩人ホメロスによって「黄金のミケーネ」と詠われた場所でもあります。つまり、ここは神話でしかないと思われていた場所ですが、1876年、あるドイツ人によって発見されてから「神話が現実になった」という遺跡です。発見者はハインリッヒ・シュリーマン。そうあのトロイの遺跡の発見者です。紀元前16-12世紀、ここバルカン半島に住み着いたギリシャ人は、クレタ文明を引き継いで独自な武装文化を築いていきました。それがミケーネ文明です。紀元前15世紀頃にはクレタ人に替わって東地中海一帯の支配権を握っていました。そんなミケーネ文明もトロイヤ文明を滅ぼした後、紀元前10世紀頃、ギリシャ人の別の一派ドリア人によって滅ぼされてしまいます。現在、ここミケーネには大きな宮殿跡や宝物殿跡が残っています。まわりにはオリーブの畑と穏やかな風が吹いています。まるで3500年何も変わっていないかのように・・・。